2024.6.28

お供えでの【 のし 】のマナーは?

お供えでの【 のし 】のマナーは?

2024.6.28

お供えでの【 のし 】のマナーは?

お供えでの
【 のし 】のマナーは?

 
 

日本ならではの文化である【 のし 】ですが、
誰しも慶弔に際して
悩んだ経験はあるのではないでしょうか。
 
また、若い方の中には初めてのしを用意するという
方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
実際にのしについてはルールが多く複雑で
更に地域によっても様式が異なる場合があります。
 
全て網羅すると一冊の本ができてしまうので
今回は一般的なマナー・ルールについて解説します。
 
間違った様式ののしを使ってしまうと
大変失礼になってしまうケースもあるので
気をつけたいところです。
 
複雑で面倒と感じる方も
いらっしゃるかもしれませんが
その歴史やマナーについての知識を深めていけば
これほど送り主の誠意や意図を伝えるのに
優れた手段はないと考えております。

 
のし紙
 

そもそも【のし】とは

 
 

普段贈り物をしないという方や
若い世代の方でも上のような掛け紙は
見たことがある方は多いはずです。
 
この掛け紙の右上についている紅白の飾りが
【 のし(熨斗) 】と呼ばれるものです。
 
中央で結ばれている赤白の線を水引と言います。
 
水引の上に書かれてある文字を表書きと呼び
水引の下に送り主の名を入れます。

 
のし
 

【 のし 】の由来と歴史

 
 

【 のし 】は一般的には結婚式などの
おめでたい時にいわゆる慶事の贈り物に
付けるのが習わしとされています。
 
不老長寿や神聖性などを
象徴していると伝えられています。
 
のしの起源を辿ると
長寿を祝う際に用いられていた
鮑(あわび)に由来するそうです。
 
古来から人々は神前に捧げる縁起物として
鮑を竹筒で薄く引き延ばしたものを
用いていました。
 
やがてその他の捧げ物を神前に奉じる際にも
薄く伸ばした鮑が添えられるようになっていきます。
これがいわゆる【 のし 】の原型です。
 
さらに時代を経ると【 のし 】は簡略化され
鮑の代わりに黄色い紙を贈答品に添える習慣が
定着しました。
 
さらに時代が進んだ現在では紅白の紙を
折り込み中央に黄色の短冊を差し込んだ形が
一般的な【 のし 】の様式となっています。

 
 

葬儀 / 法要でのお供えマナー

 
 

さてここまでの説明でなんとなく
察しがつく方もいらっしゃるかもしれません。
 
【 のし 】は古来より縁起物として
扱われた歴史がありもっぱら慶事に
使用されてきました。
 
そのため葬儀や法要などの弔事での
お供えに使用することはマナー違反とされています。
 
故人を悼む場で縁起物をお供えに付けるのは
良くないことですよね。
 
つまり【 のし 】は供え物には付けない
というふうに理解してください。

 
掛け紙
 

お供えの掛け紙

 
 

【 のし 】を付けてはいけないということは
供え物に掛け紙を巻いてはいけないということ?
とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが
そうではありません。
 
葬儀や法要向けの掛け紙の様式があります。
【 のし 】は右上に付けず無地の背景に
黒白の水引を結んだものが
一般的に使用されております。
 
注意しなければならないのが
関西圏や西日本の一部地域では
黄白の水引が弔事に用いられる場合があります。
水引については後にまた詳しく解説します。
 
地域差もある部分なので
この点に関して一番確実なのは
お住まいの地域に昔からいらっしゃる方に
確認してみるのがベターかもしれません。

 
 

お供えでの表書きマナー

 
 

表書きに関しても弔事向けのマナーがあります。
数種類の表現があり使い分けが必要となります。

 
 

① 御供(おそなえ)

 
 

時を選ぶことなく使用できる表書きです。
悩んだ際はこちらを使うのがベターでしょう。
 
注意するべき点ですが、家族以外の方へ供え物を
贈る際に使用されることが多いです。
 
名古屋などの一部地域では御供の使用率が
非常に高いようです。

 
 

② 御霊前(ごれいぜん)

 
 

故人の命日から四十九日の法要までに
用いることができる表書きとなります。
通夜、葬儀、告別式、初七日法要などで
使用されることが主です。
 
注意すべき点ですが
浄土真宗では故人はすぐに
仏となると考えられているので
四十九日前でも次の御仏前を
用いることがあるようです。

 
 

③ 御仏前(ごぶつぜん)

 
 

御霊前と対になる表書きで
四十九日以降に使用される表書きとなります。
御佛前と表記する場合もあります。

 
 

④ 志(こころざし)

 
 

香典返しにて品物を贈る際に使用されます。
 
また関西圏では四十九日を
満中陰(まんちゅういん)と呼称し
四十九日明けに贈る際に満中陰志と書くそうです。
 
当日や四十九日が明ける前に贈る場合は
粗供養(そくよう)と書きます。

 
 
 
水引画像
 
 

お供えでの水引マナー

 
 

水引の形も様々な形式があります。
主なものには蝶結び(花結び)、結び切りがありますが
弔事で使われる水引は結び切りとなります。
 
上の画像が二つとも結び切りとなります。
 
硬く結ばれて解けない結び方となっており
二度と起こってはいけない
事柄全般に対して使われます。
 
結婚、傷病見舞い、災害見舞いなどでも
使用される結び方です。
 
水引の色についてですが
全国的に通夜・葬儀などの四十九日前では
黒白の水引が用いられる傾向があります。
 
しかし、四十九日以降の法要では
水引の色に地域差が出てきます。
 
関西では四十九日法要から
黄白の水引を用いることが多いです。
 
一方関東では一周忌までは黒白を使用し
黄白の水引は三周忌から使用するマナーがあります。

 
 

中のし / 外のし

 
 

一般的に外のし / 中のしと呼ばれる
二種類ののし紙(掛け紙)のかけ方があります。
 
外のしは包装紙の上に掛け紙をかける方法で
中のしは反対に包装紙の下にかける方法となります。
 
外のしのメリットとしては送り主の名前が
表に出ているので多くの人が参列する場所でも
誰からの供え物であるかが一目瞭然となります。
 
ただ当日参列できず供え物を郵送したりする場合には
内のしが利用されるようです。

 
 

甘納豆かわむらの【のし紙】

 
 
甘納豆かわむらののし紙
 

私どもは石川県金沢市で甘納豆を
専門とする和菓子店を営んでおります。
 
店頭のみならずオンラインサイトでも
あらゆるシーンで幅広くご利用いだける
ギフトセットを数多く取り揃えております。
 
今回解説させていただいたのし紙や
表書きに関してもオンラインサイト上で詳しく
ご指定いただくことができます。
 
黄白の弔事用の掛け紙に加えて
三種類の慶事用ののし紙を用意しております。
婚礼用の紅白10本結び切りもございます。
 
ギフトセット自体も店頭で人気の高い甘納豆や
甘露などを詰め合わせたものとなっており
どの世代の方でも楽しんでいただけるような
商品作りを心がけております。
 
慶弔ごとに限らず、大切な方へ贈り物をされる際には
是非とも弊社のギフトセットを
ご利用いただければと存じます。
 
 
ご購入はこちらから
 
 

最後に

 
 

日本独自の文化である【 のし 】ですが
マナーも複雑で面倒に思われる方も
いらっしゃるかもしれません。
 
ですが、一度学んでみると歴史が深く
日本人の他者に対する繊細な心づかいの
一面を再確認することができます。
 
ご興味を持たれた方は
その地域にお住まいのご年配の方々に
お話を聞いてみても良いかもしれません。
そこに新たな学びと発見があるかもしれません。

 
ラストサムネ