甘納豆かわむら PHILOSOPHY 甘納豆かわむら PHILOSOPHY

甘納豆の歴史

History of AMANATTO

作家檜山良昭の小説・幕末架空戦史「黒船襲来」には甘納豆の歴史と成立ちが書かれています。
「黒船襲来」によれば、甘納豆の発明者は下曽根金三郎という武士である。
下曽根金三郎は御家人の生まれで、江戸末期黒船来航のころ、 幕府の鉄砲組先手組頭でありました。
発明工夫の才能があり、小銃の改良や射撃術の工夫に取り組むかたわら、
甘党であったため菓子の製造にも凝り、甘納豆も発明したのです。

静岡県浜松に「浜名納豆」があり、これは、煮た大豆に小麦粉をまぶし発酵させ、
半年塩汁につけた後、天日で乾燥させ、生姜・山椒・紫蘇・けしなどの香料を加えた納豆の一種です。
これにヒントを得て、大豆に砂糖をまぶした菓子を作り、
浜名納豆をもじり、「甘名納糖(あまななっとう)」と命名のちに、「甘納豆(あまなっとう)」と命名しました。

これが江戸で評判を取り、大いに売れ貧乏御家人だった下曾根は、知り合いの菓子屋に甘納豆を作らせ、
利益の一部をもらっていたから、甘納豆のおかげで暮らしが楽になったといいます。
素材の豆が大豆から金時ささげになったのは
試行試作の成果でしょうか。

甘納豆のことを書いた本に下曽根金三郎が登場するのは
檜山良昭の幕末架空戦史「黒船襲来」だけです。

甘納豆は、純粋に豆と砂糖だけで作る菓子。
それだけに職人の技が製品に如実にあらわれる菓子であると言われています。

甘納豆の製造工程

:直火で豆を炊きます。

:豆が水面に浮き上がったら冷たい水を入れ(ビックリ水)ゆっくり炊きます。

:灰汁は、丁寧に取り除きます。

:炊き上がったら特製の蜜に漬け込みます。

:この工程を繰り返します。

一つの甘納豆が完成するのに、延べ4〜5日間かかります。

製法へのこだわり

機械化はせず、手炊きに拘り、羽釜で炊く作業

羽釜での水炊き


昔ながらの「おくどさん」を使い、六時間かけ職人が豆の動きを見ながら火加減を調整する

まめ蜜(糖分)に漬ける


甘納豆に使用する糖分は従来品の半量以下とする。

材料選びへのこだわり

材料とは、自然の力に人が関わり生まれたもの

風味が良い豆と個性ある素材を誠実な方から仕入ること。

甘納豆かわむら PHILOSOPHY 余分なものを入れないこと 甘納豆かわむら PHILOSOPHY 余分なものを入れないこと

余分なものを入れないこと

使わない材料1

漂白剤・着色料

この2点は従来見栄えをよく商品価値を高める物として使用されていますが、かわむらでは、商品価値は別のところにあると考えています。まずは最高の素材となる豆を探しだし、そしてその魅力を最大限に引き出す事。それが「おいしいの甘納豆」を生み出す最大の秘訣だからです。

使わない材料2

保存料

かわむらでは手間ひまを惜しむことなくお品が完成するのに時間をかけているので、使用する必要がありません。
手間ひまとは、羽釜と直火を使うことにより味の向上はもとより、腐敗する不純物を取り除き、又豆炊き時に灰汁を丹念取り除くことにより保存料を使うことなく製造できます。